九条の会 @ 品川 私達は平和のために憲法九条を大切にします。

九条の会・品川 発足5周年記念集会

早いもので、九条の会・品川は、出来てから5周年をむかえました。発足の集まりがあったのと同じ品川区立荏原文化センターで、2010年3月3日、5周年記念の催しが行われました。

今回、講師にお迎えしたのは、朝日新聞の伊藤千尋さんです。

伊藤さんは1949年生まれ。世界68カ国を現地取材し、その経験をもとに、「もう護憲(憲法を護る)の時代ではない、活憲(憲法を活かす)の時代だ」と実感。その気持ちを伝えたいと、全国各地で講演を行い、人々に共感と勇気を与えてこられました。著書も沢山あり、感動の輪を広げています。

まず、文化行事として、沖縄との連帯の意味を含め、「照屋三線(さんしん)倶楽部」の方々3人による、沖縄民謡が演奏されました。手拍子とともにみな演奏を楽しみました。最後はにぎやかな豊年音頭で終わり、はじめ固かったのみなの顔が明るくなりました。

さて、集会は18時半に始まり、まず、司会の若者(山口君・中里さん)の自己紹介後、九条の会・品川のよびかけ人代表として、元NHKアナウンサーの酒井広さんが登壇されました。沖縄の読谷村(ヨミタンソン)のことを話されてから、あらためて憲法九条を読みたいといわれて、九条を声を上げて朗読されました。

それから、本日の講師、伊藤千尋さんの登場です。万雷の拍手のなか、伊藤さんはマイクをとると、力強い声で話を始められました。聞いているだけで元気が出るような声です。

伊藤さんのお話は、その場で聞かないと実感のわかないようなものですが、あえて簡単に内容をご紹介します。

<2つの九条の碑>

沖縄の読谷村には九条の碑がたっている。しかし、碑は、もう一つある。スペイン領カナリア諸島のベルデというところ、ヒロシマ・ナガサキ広場と名づけられた場所に、白い石に青い字で、九条(スペイン語)が書かれた碑があるのだ。土地の人たちの、全員一致の意見で作られたものである。

<道端の本屋で>

ベネズエラにて。道端の本屋で「憲法」の本が売られていた。誰が買うのかと思っていると、子どもをかかえた女性がその本を買っていった。彼女に聞いてみると、役所で使うのだと言う。
役所に行って、話し合いがうまくいかなかったとき、「憲法」の本を読み上げ、ここに書いてあるじゃないかと言うという。彼女は「憲法」を使っているのだ。

<コスタリカ>

コスタリカは、日本につぐ、世界で2つ目の平和憲法をもっている。1949年にできたもので、軍隊を廃止すると明記してある。30パーセントあった軍事費をすべて教育費にあてた。
今、コスタリカの識字率はほぼ100パーセント。こんな国はほかにない。日本もアメリカにはらっている「思いやり予算」を、教育や医療に使いたいものだ。

<9,11>

わたしは2001年9月1日にアメリカに赴任。ロスアンゼルス支局長となり、9・11を体験した。たった1回のテロでアメリカは変わった。
ブッシュは、すべての戦争行為を大統領にまかせる、という法案を議会に提出した。満場一致で可決されるかと思われたが、下院の女性議員、バーバラ・リーさんだけが反対した。
もちろん、すごいパッシングだった。しかし、彼女は次の選挙に出馬し、圧勝した。

<マイケル・ムーア>

映画監督のマイケル・ムーアにインタビューしたとき、彼はこういった。「平和な国家ー平和な一人ひとり。個人の平和を保証するのが国家というものだ」

<沢内村>

岩手県に沢内村という小さい村がある。この村では、生命尊重の村にしようと村民が動き、乳幼児の死亡率ゼロを、日本で初めて達成した。医療費は60歳以上は無料。
国が文句をいうと、我々は憲法にあう方針でいっている」という。日本にもこういうところがあるのだ。

<金大中>

金大中にインタビューしたとき、彼はこういった。
「行動しない良心は悪い側に入る」

<九条着物っ子>

この頃の若い人はどうやって戦っているのか。織物の街桐生市の喫茶店で、若い女の子たちがおしゃべりしていた。
「憲法って、かっこいいじゃん」「着物もかっこいいよ」
その子たちの1人は、自宅の箪笥から着物を何枚かとりだして、上京。桐生のうちには、たいてい箪笥に着物が眠っている。その子は、どこに行くにも着物を着ていく。銭湯まで。どうして着物を着ているのか、とたずねられると、彼女はいう。
「わたしは九条着物っ子」

<自分の心で考えて、自分で行動する>

市民が、自分たちの欲求によって行動するようになった。九条の会は、れっきとした政治団体だ。もっと派手にやろうじゃないですか。日本を変えていこうじゃないですか。日本の歴史上、初めて市民が動き出しました。

ここに書いたのは、お話の一部です。しかし、これが伊藤さんの口から出ると、我々は元気になるのです。

お話が終わると、ワーッという拍手とともに、いくつか質問がでました。伊藤さんはそれらに丁寧に答え、「本当の政治家はジャーナリストだと思う。自分はずっとそれをやっていきたいと思っています」と言われました。

やがて司会が出てきて、「今年5月にニューヨークで行われるNPT(核不拡散条約)再検討会議に品川から参加するメンバーをご紹介します」といい、壇上にずらりと人が並びました。高校生4人、青年2人、壮年4人です。みなが、一言ずつ抱負をのべました。歌声代表の2人が、ギターをかき鳴らし2曲を披露し、最後には「歩いていこう」の歌を、会場のみんなで歌いました。

もりあがったところで、事務局の矢沢さんが閉会の挨拶をしました。今日の参加者は300名弱だそうです。閉会したあと、伊藤さんのサイン入りの本の販売などがありました。

伊藤さんのおかげで、充実した会だったと思います。伊藤さん、ありがとう。わたしたちも、自分の心で考えて、自分で行動していきます。九条を活かすため、みんながんばろう!(文責/九条の会・品川よびかけ人・児童文学作家 八木田宜子)

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